タイで「高僧」「仏陀」「ヒンドゥー教の神様」をかたどりネックレスのように身につけるお守りをプラクルアンと呼びます。彼らタイ人が期待するのは不思議なパワーによる御利益です。私も、最初は御利益を求めて身につけたし、実際にこのお店をOPENできた事も御利益の1つであったと思います。

それがトゥクトゥク運転手の一言で考えが変わったお話を少々。
トゥクトゥクとはタイ特有の三輪タクシーで値段は事前交渉のため外人はボラれる事で有名である。

ある日私が歩いていたら、トゥクトゥク運転手が「どこまで行くんだ?よかったら乗ってけ」と話しかけてきました。乗る気はないが一応行先を伝えたら運転手の提示額は案の定ボッタクリです。まぁよくあるバンコクの風景です。

スルーして(乗る気もなかったが)5分程歩いたら聞き覚えのある声が後ろから追いかけてくる。どうやらさっきの運転手が後追いしてきたらしい。「トゥクトゥクには乗らないよ!」と今度は強めに伝えたら意外な言葉が返ってきた。

「おまえのプラはチンナラートか?」

(は?わざわざ500mも追いかけてきた理由がそれ?それが聞きたかったの?)
ちょっと不思議に思ったが、素直に「そうだよ」と回答しながら半分シャツで隠れていたプラクルアンを見せると...。

彼は少し間を置き「コートー(ごめんなさい)」と謝ってきた。

続けて、「無料でいいから私のトゥクトゥクに是非乗ってくれ」と頼んできた。さすがに意味が分からないので訳を聞くと、少し沈黙した後『私はチンナラートの前で悪い事をしようとした』と真剣な顔で答えました。

なるほど彼の一連の行動が理解できた!


それからの私は徐々にだが、「プラクルアンが見ている」という思考を持ち始めたようだ。

いつも乱雑だった靴は揃えるようになった。ご飯はなんとなくだが感謝して食べるようになった。前は照れ臭かったが電車でご年配の方に率先して「どうぞ」と言えるようにもなった。

どうやらこんな私もプラクルアンのおかげで少しずつだが真人間に成長できている感じだ。


そうそう、運転手の彼に「そんなに信じてるなら何故チンナラートを持たない?」と聞いたら、「持ったらボレなくなるだろ」とも言っていた。

ああ、これぞタイである!!


ここにきた皆様も最初は御利益やデザインで選んでいいと思います。

貴方がどの神様を選び、その先にどんな物語があるのかは誰にもわかりませんが、自分の未来に小さな可能性を贈るのは『今』かもしれません。