++++タイは仏教徒が9割以上を占める仏教国ですが、多分にヒンドゥー教の世界観も取り入れられております。そんなタイで信仰されている神様をご紹介いたします。他にも沢山の神様がおられますが、当店でプラクルアンとして紹介している神様のみのご紹介です。++++


【チンナラート】
タイで最も美しい仏像といわれており、ピサヌローク県のワット・プラ・シー・ラタナ・マハタートに祀られております。人気の高さを証明するかのようにバンコクの第一級寺院であるワット・ベンチャマボピットには複製仏が御本尊として祀られております。なお、チンナラートはムエタイ創始者のナレースワン大王と縁が深い仏像で、感謝の意を込めて多くのナックモエ(ムエタイ競技者)がこのプラクルアンを身につけています。

空港で荷物検査をしている係員や銀行でエクスチェンジしている行員が業務を止めてまで「見せてくれ」と言ってきたのもチンナラートのプラクルアンでした。それ以外にもすれ違った人、駅員、ホテルの掃除おばちゃんなど一日2〜3人から声がかかります。恐ろしいほどコミュニケーション能力が高いプラクルアンです。それだけ人気が高いともいえます。

【ブラフマー】
ヒンドゥー教最高三大神の一人。タイで一番願い事が成就することで有名なエラワン祠に祀られている神様で今日、今この時もタイの人々が熱心に、そして真剣に手を合わせております。その祠の前を通る車の運転手さえもハンドルから手を放して手を合わせます。タイではプラ・プロム、日本では梵天、インドではブラフマーの名で呼ばれております。

【ヴィシュヌ】
ヒンドゥー教最高三大神の一人。同教ではヴィシュヌ神の化身をアヴァターラ(アバターラ)と呼んでおり、バーチャルコミュニティーの中で自分の分身の事を「アバター」と呼ぶ語源。ラーマキエンの主人公ラーマ王子も化身の一人とされる。

【ラフー】
月や太陽に噛みついている神様ですが、向かってきた悪運や災いにも噛みついてくれるのでタイの人々に人気があります。神話で不死の水を飲んでいるので健康の維持、長生きにもご利益があるといわれております。また、日食、月食はラフーの仕業とされており、月や太陽が全部食べられるのを防ぐため人々は太鼓を叩いてラフーを追い払います(この時ばっかりは悪役です)。次回は2015年4月4日の部分月食ですね(タイだと時差的に微妙かな?)。ちなみに月と太陽とラフーで三兄弟です。

【ガネーシャ】
太鼓腹に4本の腕を持ち象の頭をした神様で、障害を取り除き、また商業を栄えさせ財産をもたらし、さらには学業成就にもご利益があるとされている神様。タイで一番有名なガネーシャはチャチュンサオにあるワット・サマーン・ラッタナーラームに安置されている全長22mのピンクのガネーシャです。日本で一番有名なガネーシャは「夢をかなえるゾウ」で出てきたオジサンガネーシャでしょう。

【メー・クワンイム】
日本では観世音菩薩と呼ばれております。タイは上座部仏教のため観音菩薩は存在しないはずですが、華僑が持ち込みタイに浸透いたしました。チベット仏教ではダライ・ラマも観音菩薩の化身とされております。

【プラ・ピッター】
名前の意味はプラ(僧侶)・ピッ(ト)(閉じる)・ター(目)。手で顔を覆い背中に経文を背負っている独特な形式はアユタヤ美術の直系にあたるラタナコーシン美術の一つです。高僧をモチーフにしたという説や三猿の見ざると同じ起源との説もございます。顔を隠している事から悪いものや、いやな事を見ないですむので災難から身を守る御利益があるといわれております。

【ジャトゥカーム・ラーマテープ】
ジャトゥカームは仏歴2530年に誕生したタイ固有の合体神。約1500年前に仏教を手厚く保護し南部のナコンシー・タマラートを治めていた実在の王です。背後にいるナーガがラーマテープ王とされております。2004年〜2009年の間タイで熱狂的なブームとなった神様であり、このお守りを持っていたおかげで「銃で撃たれても死ななかった」などの逸話が多数。

【ハヌマーン】
ラーマキエンに出てくる戦いの神ハヌマーン。孫悟空のモデルとしても有名です。ラーマキエンの物語はアユタヤ王国の王子達と悪魔の国ランカー王国の羅刹王トッサカンとの戦争の話。観光客がタイ料理を食べながら観るタイ舞踊の演目は必ずと言っていいほどラーマキエンある。元はインド:バラモン教の大叙事詩ラーマヤナ。御利益は「勝利」が有名ですが「友情」も忘れてはいけません。

【パイリー・ピナート】
名前の意味はパイリー(敵)・ピナート(倒す/滅ぼす)。タイ仏教の中で最も戒律を厳格に守るタマユット派の総本山:ワット・ボーウォーンニウェートに安置されている仏像。映画「王様と私」で有名なラーマ4世と縁が深い仏像です。御利益は名前のまんまです。もし喧嘩した彼女が次の日これを身につけてきたら警戒してください(笑)

【ルアン・ポー・ソートン】
チャチュンサオ県にあるワット・ソートーンに安置されている仏像です。タイ人には一番人気のお寺です。伝説ではバンパコン川に漂流してきた三体の仏像の一つ。製作者は不明。健康において非常にご利益があるとされております。いついかなる時もタイ各地から来た巡礼者が絶えない仏像です。このプラクルアンをしているご高齢の方をみると子供達に大事にされているのかな?と想像してしまいます。

【プラ・ロート】
タイの五大お守り(ベンジャパキ)の一つ。ランプーン県のワット・マハーワンで出土したものでベンジャ・パキの中で最も古いプラクルアンといわれ、12世紀頃のハリプンチャイ王朝時代のものとされております。
その当時栄華を誇っていたハリプンチャイ王国(モン族)もラーンナー王国(タイ族)との戦いに敗れ西暦1281年に滅亡してしまいます。その後モン族の国家は復興することはありませんでしたが、彼らが信仰していた上座部仏教はタイ族に引き継がれ今に至ります。ある意味東南アジアにおける上座部仏教の原点。

【プラ・ケーオモーラコット】※別名:エメラルド仏
バンコクにある王宮:ワット・プラケーオに安置されている国家守護仏と呼ぶべき仏像。全てにおいて霊験あらたかとされ世界中の仏教国から巡礼者が訪れております。実はこの仏像、様々な国を旅してきた長い歴史を持っており、BC43年頃北インドで作製されたといわれ、その後スリランカ、ビルマ(現ミャンマー)、カンボジア、アユタヤ(現タイ)、ラオス、タイ、そして今に至ります。

【トリムルティ】
ヒンドゥー教において三神(ブラフマー・シヴァ・ヴィシュヌ)一体との説から生まれた神様。タイでは恋愛に奇跡を起こす神様とまでいわれており特に女性の参拝者が絶えません。木曜日の夜9時30分にトリムルティが降りてくるとされ、この時間に願えば、どんな恋愛の願いも叶えてくれるといわれています。

【ガルーダ】
インド神話に登場する炎を纏う聖鳥でヴィシュヌ神のヴァーハナ(乗り物)。タイとインドネシアでは国章にもなっており、日本では迦楼羅天という仏教の守護神として信仰されております。タイでは災いを跳ね返すとされ、大きなガルーダを掲げたビルの真向かいは跳ね返された災いをさらに他方に跳ね返す措置が取られています。

【ドゥルガー】
シヴァ神、ヴィシュヌ神、ブラフマー神の光から生み出された神様です。神話ではライオンに乗りアスラの王を倒した戦いの女神です。元々はインド・ベンガル地方の土地神とされ10月にはドゥルガープーシャ(ドゥルガー祝祭)が盛大に催されます。

【曜日仏】(プラ・プラチャム・ワン)
タイでは生まれた曜日を大切にする習慣があり、それぞれの曜日に色と守護神様が決められています。仕事運や恋愛運、金運、相性などを占う時も全て生まれた曜日を基準とします。
(月)プラ・プッタループ・パーンハームサムトーン(色:黄)
(火)プラ・プッタループ・パーンサイヤート(色:ピンク)
(水:昼)プラ・プッタループ・パーンウムバート(色:緑)(6〜18時生まれ)
(水:夜)プラ・プッタループ・パーンパレーライ(色:黒)(それ以外の時間)
(木)プラ・プッタループ・パーンサマーティ(色:オレンジ)
(金)プラ・プッタループ・パーンラムプーン(色:青)
(土)プラ・プッタループ・パーンナークプロック(色:紫)
(日)プラ・プッタループ・パーンタワーイネート(色:赤)

【ソムデッド】
タイの五大お守り(ベンジャパキ)の一つ。一番有名なのは高僧:ルアン・ポー・トーが入魂したワット・ラカン製(バーンクンプロム/ゲーチャイヨー発行もある)のものです。ソムデッドとは主に「貝殻を砕いた粉」や「粘土」を型押しして仏像を浮き上がらせたお守りの総称です。主材の『貝粉』や『粘土』の他に、「秘伝の土」や「灰」「薬草」「金箔」等を練りこんで作製します。寺院や高僧独自のレシピがあり、珍しいのでは「高僧の毛髪」や「遺骨」を練りこんで作製されることもあります。

【ルアン・ポー・パーン】
ルアン・ポー・パーンとはアユタヤ県にあるワット・バーンノムコーの高僧の名前です。彼のお守りはガルーダ、ハヌマーン、鳥、魚、が仏陀の台座を支えていて、素朴の中に美しさが同居するデザインです。お守りの名前もそれにちなんでルアン・ポー・パーンと呼ばれております。

【シン(ハ)】
シンハは、サンスクリットでライオンを意味する語。タイでは訛って「シン」と呼ばれ、シンハービール(ビアシン)のシンボルマークにもなっております。元々は古代オリエントの王を守るスフィンクスが源流とされ、仏教圏では、仏教絵画、仏教彫刻などにおいて仏陀、仏像を守る守護獣として広まりました。なお、ライオンの生息しない日本においては、空想の形状(獅子狛犬)に変化しております。ご利益は各国共通で「悪いものを寄せ付けない」とされております。

【ラクシュミー】
ヒンドゥー教では美貌・幸運・豊穣を司り、最高三神の一柱ヴィシュヌ神の妃でもあります。タイではチットロム駅近くのゲイソンプラザに祀られているラクシュミーが有名で、今日もタイの女性達が多く訪れ永遠の美しさを願っております。日本では吉祥天と呼ばれ類い稀なる美貌と豊穣の神として信仰されており、昔は七福神の一柱でもありました。